双極性障害トリオエクソーム解析の論文がNature Communications誌に掲載されました。

理化学研究所(理研)脳神経科学研究センター精神疾患動態研究チームの西岡将基研究員(研究当時、現順天堂大学医学部精神医学講座准教授)、加藤忠史チームリーダー(研究当時、現順天堂大学医学部精神医学講座教授)、分子精神病理研究チームの髙田篤チームリーダーらの共同研究グループは、双極性障害患者における「デノボ変異(患者本人からは検出されるが両親からは検出されない新生の変異)」を包括的に解析し、全身の細胞に存在する先天的デノボ変異と一部の細胞にのみ存在する後天的デノボ変異がともに双極性障害に関連することを明らかにしました。本研究成果は、双極性障害の病態理解を進め、病態に基づく治療法開発の基礎的知見になると期待できます。
 デノボ変異は進化の過程において自然選択をほとんど受けないため、疾患の発症に大きく関連する変異が含まれると考えられており、今回、共同研究グループは、双極性障害研究としては世界最多の354家系の遺伝情報デノボ変異データを解析しました。その結果、双極性障害患者では、タンパク質の機能喪失変異が負の自然選択を受けやすい遺伝子に先天的な機能喪失デノボ変異が多いこと、先天的な機能障害デノボ変異はシナプス・イオンチャネル関連遺伝子に多く存在することを見いだしました。さらに、神経発達障害の原因遺伝子に発生発達の過程で生じる後天的な機能障害デノボ変異が多いことを示しました。

多施設共同研究の成果です。共同研究者の方々に、研究をご支援いただいた皆様に、そして研究にご参加いただいた患者様、ご家族にあらためて御礼申し上げます。西岡さん、お疲れ様&おめでとう!

プレスリリース:https://www.riken.jp/press/2021/20210622_3/index.html

論文リンク:https://www.nature.com/articles/s41467-021-23453-w