統合失調症、気分障害、自閉スペクトラム症等の精神神経疾患は、いずれもありふれた疾患で、かつ患者さんやそのご家族の人生に大きな影響を与えうるものです。しかしながら、脳の組織病理を調べる神経病理学的手法では、これらの疾患を脳病理から定義するような異常を見出すことができず、統合失調症は「神経病理学者の墓場(the graveyard of neuropathologists)」であるとまでいわれました(そして、これは他の内因性精神疾患にも当てはまります)。私たちは、この難題(=精神疾患の分子病理)を解き明かし、診断・治療・予防法創出につなげるという大きな目標に挑戦します。しかし負け戦を挑む気はありません。